おちょこブログ

おちょこの裏ほどの器から始まったストーリー (旧タイトル:へなちょこブログ)

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好きな仕事 

2012.08.25


(川井キャンプ場より)



今年に入ってから、「お前は好きなことを仕事にしてていいよね。イビキうるさいけど。」とよく言われるようになった。


この「好きなことを仕事にする・しない」の議論が特に僕ら20代半ば~後半の世代は大好きで、久しぶりに居酒屋に集えば、女の子の話よりも盛り上がったりする。


社会人になって数年が経ち、自分の仕事がある程度習慣化し、人間関係もある程度固定化され、人によってはそれなりに後輩らしきものができ、にも関わらずまだ若手扱いで可能性を期待されている感もあり、コレが得意でコレが苦手でコレが好きでコレが嫌いという自分の仕事の能力や意欲の棲み分けができるようになってきて、周りではポツポツと結婚したり転職したりする人間も出てきたりと、今の僕らの世代は、自分の人生における仕事との関わり方みたいなものを否が応でも考えてしまう要素で溢れているんだと思う。


そんな中で、僕がよく話をする友達アオモノ君(仮名)がこんなことを言ってた。


「他にやりたいことがあって、それを実現させるために試行錯誤しながら今の仕事を続けるのは本当にシンドい。」と。


これは時間的に余裕がなくて大変だとかそういうことではなく、いま目の前の仕事に100%の気持ちで取り組まなければならないのは分かっているのに、他にやりたいことがあるという自分自身のどうにもならない正直な気持ちがツラいということであって。


そんな心境は、自分自身に限らず雇用している会社にとっても顧客にとっても好ましいことではない。


腰掛け程度にしか考えていない人間を雇おうとは誰も思わないし、そんな人間に対価を払ってサービスを受けようとする顧客もいない。


つまり、自分自身に限った話じゃないということが認識できれば、やっぱり好きなことを仕事にするべきだという結論に至る。



ここで避けては通れないのがその定義で、人によって捉え方の違いはあるだろうけど、好きなことを仕事にするとか、趣味を仕事にするっていうのは、仕事とは関係のない時間、つまり顧客を意識しないプライベートの時間の中での経験がダイレクトに仕事に活きることを指す気がする。 最近は。


ダイレクトに、と書いたのは、採用情報のページによくある社員インタビューで「休日に子供と過ごす時間が実は仕事のヒントをくれるんです。」的な例を除外するためで、こういうのはあくまでも間接的で偶発的だし、仕事の役に立っていると意図的に紐付けしようとする意識が働いているので、プライベートが他覚的にも分かりやすい形で仕事に活きているケースとは全く異なる。と僕は思う。


プライベートが仕事の役に立っていると手に取るように分かるようならば、その仕事はおそらく楽しい。つまり好きなことであると。



それでも、こう言う人もいるでしょう。

「僕はプライベートの時間も仕事の為に資格取得の勉強をしている。それはプライベートがダイレクトに仕事に活きているケースだろうよ。」と。


しかし、これは違う、と思う。

ハナから仕事を意識した過ごし方だから。


プライベートというのは読んで字の如く、個人的な事象を指す。

仕事という概念が少しでも思考に入れば、雇用主である会社と、何よりも顧客との関わりが発生する。

その瞬間、それは個人的事情ではなくなる。


自己満足を求めて、どこまでも個人的に、何の抵抗もなく自ら進んで行う行為が、要するに趣味が、心から楽しんでいる時間が、“そういえば”仕事の役にも立つな、みたいな感覚こそ、好きなことを仕事にすることであって。


逆もまた然りで、そういう仕事ならば、取り扱う商材がプライベートを充実させてくれたりする。

そうやって好循環を生む。


何度も書くけど、それは自分自身だけではなく雇う側にとっても顧客にとっても嬉しいことだ。

好きこそものの上手なれ、と。



しかし、別の友達カワマエ君(仮名)は、「やりたいことはあるけど、成功する可能性も待遇もあまり現実的じゃないから、とりあえず今の仕事を続ける。結局は何を取るかでしょ。」と言う。

ここで言う何を取るか、というのは、待遇度外視で仕事内容の充実を取るか、興味のない仕事でも待遇を取るか、はたまた社会的名声を取るか、といった話だ。

このくらい冷静に考えられていれば確かにそれで良いのかもしれないけど、ここでまた自分自身の仕事の捉え方だけの問題ではないということを思い出せば、やはり公私含め没頭できる事を選ぶのがベストだと思う。


ちなみに僕は、待遇を度外視したこは一度もないし、社会的名声だって無いよりあった方がいいと思ってる。



もうひとつ、こういう話で盛り上がっていると出てくる意見として、「好きなことを仕事にしたら嫌いになっちゃうでしょ。だから好きなことは趣味にしておいた方がいいんじゃない?」ってのがある。

この時ばかりは僕も猛烈に反論するんだけど、尊敬する垣根涼介氏の小説「君たちに明日はない」シリーズに分かりやすい文章があったので引用する。


以下引用。



“(好きなことだからこそ、それは仕事ではなく、あえて趣味として取っておきたい)などと言う人間は、やや厳しい見方だが、しょせんは自分を韜晦しているだけだ。現実の厳しさを理由に、本当の意味での自己実現から逃げているだけだ。言い訳だ。

であれば、現状を充分に把握した上で、(仕事ではとても実現出来ないから、せめて趣味としてやっていこう)

その人生への見切り方が、捉え方が、もっとも正しいし、まだ潔い。”



以上、「張り込み姫」より抜粋。



全く同感で、好きだから敢えて趣味として…というのは本気で好きなことを仕事にしようと努力したことがあれば、口が裂けても出てこないセリフだ。


ちなみに僕は、小さい頃はサッカー選手になりたいと思っていたけど、中学~高校?あたりで何となくサッカー選手にはなれないであろう自分をイメージするようになり、いつの間にかサッカー選手以外の将来像を描くようになってた。 その結果が今で。


「サッカーを好きだからこそ、サッカー選手にはなりたくなかった」なんて馬鹿な話があるはずはなく、僕もきっとあの時、「仕事ではとても実現出来ないから、せめて趣味としてやっておこう。」と思った一人で。

それ以前も以降も、サッカーはずっと続けている。

いまの仕事を選んだことに何の不満も後悔もないし、趣味であるサッカーを辞めるつもりもない。



サッカーが好きで、サッカーの仕事をしたら、サッカーが嫌いになったと言うならば、それこそ公私混同だ。

趣味が直接仕事の役に立っていたとしても、仕事は趣味じゃない。

自分の中だけで趣味と仕事の境界線が曖昧になっている分にはいいけど、雇う側や顧客からすればそんなのは知った事ではない。

だから、公私混同。



ここまで話をしても、根強い意見として「この不景気にそんな贅沢なこと言ってらんないよ。」というのが残っている。

これに対しても、垣根涼介氏は言及している。


以下引用。


“不景気だからこそ、職を求める人間がより厳しく選別される時代だからこそ、仕事へのこういうこだわりのある者のみが、生き残っていく・・・(中略)・・・飢えに苦しむ第三世界の話ではない。この日本での話だ。”


以上、「張り込み姫」より再度抜粋。



この日本で、ただ今日明日を食いつなぐ為だけに仕事をしている人はごく一部でしょう。

要するに仕事をする意味やその内容を自ら考えたり選択できる環境にある。

そんな環境にあって、仕事内容はなんでもいいから…という一見すると健気な姿勢はそもそも間違っているし、上記抜粋のとおり、「コレがやりたい」というこだわりのある人間が評価されるはず。というか、そうあってほしい。



だいぶ長くなったのでまとめると、掛け値なしに好きなことがあり、それを自分が行うことがビジネスに、つまり人様の役に立つ形になり得ると少しでもイメージできるのなら、それを仕事にする事をまず第一に検討するべきだと。

そうやって選択肢ができたら、あとは自分が納得できる待遇面やその他環境との妥協点を探ればいい。

その作業を行わずに仕事選びをすることほど、不幸なことはない。

少なくともこの日本では。




楽しい楽しい夏に真面目になりすぎた。




おわり
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おちょこの裏

Author:おちょこの裏
世界最高の町、群馬県月夜町(現 みなかみ町)に生まれ、生後1週間で東京都板橋区へやってきたかと思いきや、サッカー 登山 素潜り サーフィン 写真 自転車 ミスチル 読書 ビール が好きに。



■海外渡航歴

オーストラリア・インド・タイ・カンボジア・ベトナム・ラオス・韓国・台湾



■国内は自転車で周ってます。

関東地方一周・東京→京都・別府→福岡・八丈島一周・東京→仙台・東京横断など



■登山歴

富士山・比叡山・筑波山・八丈富士・谷川岳・瑞牆山・雁ヶ腹摺山・三国山(群馬県)・越前岳・大山・塔ノ岳・荒船山・上州武尊山・蓼科山・雄山・大汝山・燕岳・大峰山・吾妻耶山・行者ケ岳・二子山・鍋割山・黒斑山・碁石ケ峰・袖平山・伊豆ヶ岳・大菩薩嶺・川苔山・編笠山・権現岳・掃部ヶ岳・道峰山(ソウル)・高水三山・生藤山・黒檜山・日光白根山・甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳・羊蹄山・一ノ倉岳・茂倉岳・奈良倉山・蝶ヶ岳・白馬岳・両神山・宝登山・雲取山・檜洞丸・妙義山・入笠山・武奈ケ岳・荒島岳・八経ケ岳・西穂高岳・伊吹山・叔母子岳・剱岳・丹沢山・岩湧山・穂高岳・涸沢・弓折岳・双六岳・槍ヶ岳・樅沢岳・三俣蓮華岳・赤岳・横岳・白山・涸沢岳・小蓮華岳・針ノ木岳・蓮華岳
・木曽駒ケ岳・大天井岳・常念岳


現在は東京にて営業を。

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