おちょこブログ

おちょこの裏ほどの器から始まったストーリー (旧タイトル:へなちょこブログ)

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富士山での出来事 

2012.06.10

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(須走登山口より)


初めてオフシーズンの富士山へ。

思いがけず貴重な経験をしたので記憶が鮮明なうちに書く。


そのあまりの知名度にどうしても身近に感じやすい富士山も、まだまだ雪だらけのこの時期に近づけば飲み込まれそうな恐さがあって、薄暗い早朝に登山口から見上げるだけでビビる。


雪の富士山経験者2人と万全の装備で早朝5時に須走口を出発。

6合目まではところどころに雪が残ってる程度なので6本爪とストックがあれば問題なく行けます。

ただ、ここで調子に乗って冬山装備をデポしたりしたらダメ。



6合目以降はがっつり雪です。





アイゼンをグリベルに換えてまずは7合目を目指す。



(7合目付近)



その年によって状況は違うと思うけど、この時期なら雪はサクサクなので 普通に10本以上のアイゼンとピッケルと体力と十分な時間があれば登り自体に問題はないはず。

もちろん、天候が味方した場合に限るけど。



ほぼ雪に埋もれた7合目の小屋を通り過ぎ、トレースを辿って一歩一歩ゆっくり進むと、上から水が流れるような音がしてくる。

雪解け水が岩場を流れる音。






トレースはその岩場に沿って続いてて、その岩場が終わるあたりのところで視界の隅に衣服のようなものを捉えたので、他の2人に伝えて3人で確認しに行った。


目の前に行くまでもなく、それは紛れもない滑落死体で、一瞬絶句したけれど、意外にもすんなり受け入れて、すぐに警察に連絡。


数回のやり取りを経て、ひとまずそこで待機することに。


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(約3000メートル地点)



できることがあまりにも限られていて、というか救助隊からの連絡を待つこと以外なにもできず、気落ちしていても仕方ないのでとにかく喋ってたり、食事を摂ったりした。





今思えばよくあんなに冷静でいられたなと思うんだけど、僕らだって食事を摂らなきゃ元気に下ることすらできない。




途中、スキーで登る登山者が。


IMGP9160_convert_20120609084638.jpg


どうか気を付けて。



その後救助隊と合流することになったんだけど、そのまま登るか待つか下るかは僕らに選択肢があった。


風もなく天気も良かったし、雪の状態やら時間やら体力やらどれをとっても登頂はできたと思う。


でも言うまでもなく、発見した時点で登る気は失せていて、2時間後に登山口で救助隊と落ち合うことに。



手を合わせて、下山開始。






下りは滑りながら行けるのでかなり楽。


途中にある小屋の方に報告したところ、数日前に近くでアイゼンとピッケルが見つかっていたらしい。



約2時間後、無事に下山し救助隊と合流。


聴取を受けて、僕らはそのまま帰宅した。



昨日の新聞で確認したところ、今年1月に入山した男性だったらしく、雪解けで身体が出てきていたとのこと。


家族のもとに戻れたのかまでは分からないけど、とにかく発見できて良かったと思う。


6月でさえこれだけ雪があるわけで、1月の富士山の過酷さは想像を絶するものだと思うし、たとえ天候が良かったとしても独立峰で吹きさらしの富士山の冬の雪はカチコチに違いなく、相当な装備と技術と体力と経験が必要なはず。

あるいは覚悟も。



もちろん僕らは無茶をするつもりはないし、したこともないと思っているけれど、人間の意思なんてその程度で、誘惑に負けて「まぁ行けるでしょ」とか、「せっかくここまで来たし…」といった気持ちに駆られている人は大勢いる。


明日は我が身ってのは本当にいい言葉で、この貴重な経験を忘れることなく、他人事を他人事と思わず、常に戒めの気持ちを持ってアウトドアを楽しみたいと思います。

やっぱりアウトドアは楽しいもんじゃなきゃダメ。



それと、富士山はやっぱ凄い。

日本最高峰はダテじゃない。

身近な山だなんてとんでもない。




最後に。

遭難者のご冥福をお祈りいたします。




おわり
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コメント

 

今度、槍登ろうと思ってたんだけど、急に不安になったよ。初心者だけじゃヤバい?

Re: タイトルなし 

夏でしょ?
ちゃんとした装備があって、天気が良くて時間があれば、
ユウなら普通に登れると思うよ。てか誘えよ!


> 今度、槍登ろうと思ってたんだけど、急に不安になったよ。初心者だけじゃヤバい?

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おちょこの裏

Author:おちょこの裏
世界最高の町、群馬県月夜町(現 みなかみ町)に生まれ、生後1週間で東京都板橋区へやってきたかと思いきや、サッカー 登山 素潜り サーフィン 写真 自転車 ミスチル 読書 ビール が好きに。



■海外渡航歴

オーストラリア・インド・タイ・カンボジア・ベトナム・ラオス・韓国・台湾



■国内は自転車で周ってます。

関東地方一周・東京→京都・別府→福岡・八丈島一周・東京→仙台・東京横断など



■登山歴

富士山・比叡山・筑波山・八丈富士・谷川岳・瑞牆山・雁ヶ腹摺山・三国山(群馬県)・越前岳・大山・塔ノ岳・荒船山・上州武尊山・蓼科山・雄山・大汝山・燕岳・大峰山・吾妻耶山・行者ケ岳・二子山・鍋割山・黒斑山・碁石ケ峰・袖平山・伊豆ヶ岳・大菩薩嶺・川苔山・編笠山・権現岳・掃部ヶ岳・道峰山(ソウル)・高水三山・生藤山・黒檜山・日光白根山・甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳・羊蹄山・一ノ倉岳・茂倉岳・奈良倉山・蝶ヶ岳・白馬岳・両神山・宝登山・雲取山・檜洞丸・妙義山・入笠山・武奈ケ岳・荒島岳・八経ケ岳・西穂高岳・伊吹山・叔母子岳・剱岳・丹沢山・岩湧山・穂高岳・涸沢・弓折岳・双六岳・槍ヶ岳・樅沢岳・三俣蓮華岳・赤岳・横岳・白山・涸沢岳・小蓮華岳・針ノ木岳・蓮華岳
・木曽駒ケ岳・大天井岳・常念岳・奥穂高岳・ジャンダルム


現在は東京にて営業を。

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